
『もういいの。…ひとおもいにアタシを撃って!』
『あなたに食べられるなら、私…本望だもの』
『ハギー…!』
…ハギーとの思い出が、走馬灯のように駆け巡る。
仙台駅で、売られていたお前。
サンドウィッチマンのマネージャーに買われて行ったお前。
(あんとき、可愛かったな。)
仙台、東京、東大阪、…長い旅をして、
明石イトーヨーカドーまで来てくれたお前。
大勢の婿候補の中、ミッションを成功させ、
富澤サンから手渡された時のお前は…輝いていた。
婚礼装束のサインを施され、まさに箱入り娘だった。
あの時の富澤くんの目に
『ハギーを頼むっ!』
と言う苦渋の陰を、俺は見逃さなかった。
…多分。
ありがとう、富澤。
ハギー!!
…今!食ってやる…!